中国語の学習も中級に入ると、急に成語が増えてきますよね。宿題で「覚えてきてね♪」と成語の一覧を渡され、げんなりした経験ありませんか? 苦労して覚えた成語も、使わなければ忘れてしまいます。結局、使いこなせないままの成語の一覧表や参考書が、らーじゃおの手元に何冊もあります。
忘れやすい and 中国語で話す機会が少ない私が発見した「忘れない成語の覚え方」は…
中国ドラマで出てきた成語を覚えていく…という方法です。
ドラマの強い印象によって、忘れにくい上に、状況や例文もついてくるので成語の意味を理解しやすいです。「なかなか成語が覚えられないんだよー!」という人におすすめです。
この記事では中国ドラマ『星漢燦爛』と『大明皇妃』でつかわれた”睚眦必报”という成語をとりあげます。
睚眦必报が使われた中国ドラマ『星漢燦爛』
睚眦必报 yázì bì bào と発音します。
司馬遷の『史記・范雎蔡沢列伝』からの成語。司馬遷は『史記・范雎蔡沢列伝』の中で、范雎のことを〝一饭之德必偿,睚眦之怨必报。”と評しています。どのような故事かは、史記研究家・書家の吉岡和夫さんの文章がとてもわかりやすいです。
睚眦必报の意味
《漢語成語詞典》と《现代汉语词典 修订本》で睚眦必报を調べてみました。
睚眦必报
睚眦: 瞪眼睛,怒目而视; 报:报复。
瞪眼睛那样的小怨小忿都一定要报复。《史记 范雎蔡泽列传》:〝一饭之德必偿,睚眦之怨必报。”
出典:漢語成語詞典 上海教育出版社 p732
睚眦:目を見ひらく,怒った目でにらむ 报:報復する
にらまれた程度の小さな恨みや怒りでも、必ず報復する。
『史記・范雎蔡沢列伝』:〝一度の食を恵んでもらった恩には報い、にらまれた恨みには必ず仕返しをする。”
睚眦必报
像瞪了自己一眼那样的极小仇恨也要报复。形容心胸极其狭窄。
出典:现代汉语词典 修订本 商务印书馆出版 p1440
少しにらまれた程度のわずかな恨みにも必ず仕返しをする。度量が非常に狭いことを形容する。
睚眦必报な人・程少商
チャオ・ルースー 趙露思さん演じる程少商
しとやかな女性が好まれる社会でも「私は私」とハッキリ自己主張する程少商。理不尽な目にあうと、泣き寝入りすることなく、痛快な方法で相手を懲らしめる。
「睚眦必报的性格」と自ら言うくらい、必ずやり返す女性。
チャオ・ルースー 趙露思さんのビジュアルだから「睚眦必报的性格」と自称しても、ウー・レイ 呉磊さん演じる凌不疑がどこまでも守ってくれるんでしょう。 うがった見方をしつつ思うのは、そもそも、程少商は睚眦必报ではないのでは? ということ。程少商は度量が狭い人ではないですよね。「睚眦必报的性格」は、次に紹介する『大明皇妃』の胡善祥の方が近いと思うのですが、あなたはどう感じますか?
睚眦必报が使われた中国ドラマ『大明皇妃』
私がこの言葉に初めて出会ったドラマが『大明皇妃』です。
睚眦必报な人・胡善祥
ドン・ジアジア 鄧家佳さん演じる胡善祥。
宮中で拾われ、厳格な胡尚儀に育てられた胡善祥。甘え上手で要領がいい。宮中で、のし上がっていこうする野心家。
『大明皇妃』第39話で登場
侍女の安歌に階段から突き落とされ、流産してしまった胡善祥。安歌は自ら命を絶ちます。このことを知っているのは、若微と安歌を埋葬した侍女の葉秋のみ。若微は葉秋の身を案じ、宮中を出て結婚するように諭します。その時、若微に「皇后はどんな人?」とたずねられた葉秋は次のように答えます。
叶秋 : 我没有侍奉过。但听人讲 她是心机很重、睚眦必报的人。
出典:『大明皇妃』第39話
心机 xīn jī:考え はかりごと
(胡善祥に)お仕えしたことはありませんが、人に聞いたところによると、彼女(胡善祥)は計算高く、些細なことにも仕返しをする人だそうです。
同僚の心眉に対しても冷酷だったものね!
中国ドラマで学ぶ”睚眦必报”◇まとめ
どんな人が”睚眦必报”なのか、ばっちり印象に残ったと思います。
小さなことも根にもって仕返しをする、心のせま~い人です。
相手を褒める表現ではないので、間違っても面と向かって使わないようにしましょう!
《漢語成語詞典》の裏表紙に5500の成語を収録しています…という表記を見つけ、気絶しそうになりました。ブログを書くことが、中国語の勉強になっているので、マメに更新できるように頑張るぞー!
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