日本で中華料理のスイーツといえば、杏仁豆腐が有名ですね。
でも、らーじゃおは中国で杏仁豆腐を食べた記憶がありません。宴会のスイーツの定番といえば、拔丝香蕉:bá sī xiāng jiāo(バナナの飴がけ)だったからです。
バナナフリッターの飴がけなのですが、日本の大学芋のように飴が固くないので美味♡
普段は食後にデザートなんて食べていなかったから、特別な感じがしたよ
「拔丝(バース―)といえばバナナ!」と思い込んでいた私が拔丝芋头:bá sī yù tóu(里芋の飴がけ)に出会ったのは、桂林周辺を旅行していた時。「中国人は里芋までバース―しちゃうんだな」と驚きました。
私が拔丝芋头を食べたのは、わずかに2回だけです。
1回目は旅行先のレストランで、2回目は中国人のお宅でいただきました。「中国料理、何が食べたい?」と聞いてくれたその方に、厚かましくも「拔丝芋头!」と言ってしまった私。快く作ってくださったAさん、本当にありがとう。20年以上経っても、忘れられない味です。
今回はAさんの作り方を思い出しながら、拔丝芋头を日本で作ってみます。
食べたことのある方もない方も、よかったらチャレンジしてみてくださいね。
バース―初心者の私でも美味しくできました。
拔丝芋头とは?
中国・山東省の名物で、簡単に言えば「素揚げした里芋に飴がけしたもの」です。
しかし、大学芋の里芋バージョンとは一線を画しています。
大きな違いは3つ(個人的主観に基づきます)
- ベタベタしていない(湿っていない)
- サクッとやわらか
- 揚げているのにサッパリ
百聞不如一見。早速つくってみましょう。
用意するもの
拔丝芋头の材料はスーパーで入手できるものばかり。鍋1つで調理します。
材料
里芋:生の里芋
今回、らーじゃおが使ったのは、お正月明けのセールで買った八つ頭。これは関東では正月前に売られ、関西では見かけない里芋の親分です。きめが細かくホクホクした美味しい里芋です。
もちろん普通の里芋でOKだよ
砂糖:普通の白砂糖
油:植物油ならなんでもOK(らーじゃおは米油を使いました)
ショウガ:チューブのおろしショウガは水分の少なく簡単でおススメです
白ごま:お好みで
調理器具
中華鍋 または 深めのフライパン:揚げ物と飴がけをこれ1つで済ませます
参考にしたレシピ
百度百科の拔丝芋头做法②の分量をアレンジして作りました。
主料: 芋头(500克) 芝麻(10克) 姜(1片)
调料: 白糖(200克) 清油(750克)
出典:百度百科 拔丝芋头
克:kè とはグラムのことです。
らーじゃおは飴が多いバース―は好きではないので、白糖(白砂糖のこと)は半量の100gにしました。
油の量も適当にいれました。目安は火の通った里芋が浮き上がる量の油をいれる、ということです。使う鍋の大きさに合わせて、油の量を調節すればよいでしょう。
生の里芋は体に良くないから必ず火を通してね
参考にした作り方①
拔丝芋头でyoutube動画を検索すると、たくさん動画があがります。らーじゃおが見た動画はもう削除されてしまいましたが、里芋の素揚げの火の通し具合が参考になりました。
youtubeで一通りの工程を頭にいれておくことをお勧めします。飴がけの工程は一瞬の勝負なので、初心者は万全の準備をした方が良いと思います。
参考にした作り方②
レシピで紹介した百度百科の拔丝芋头做法② です。
こちらは、油を使った飴がけの方法を参考にしました。
出典:百度百科 拔丝芋头做法二
- 先把芋头洗净去皮,切成滚刀块或菱形块,放盘内待炸;芝麻拣去杂质后待用。
- 将1碗生油烧至6成热,放入芋头块,用慢火将芋头块炸至呈黄金色,捞出沥净油。
- 锅内留余油,下200克白糖,用小火将糖炒至融化。
- 切些许姜片,把姜片放入糖中同炒。
- 待糖炒至稍微融化时,加些水。
- 糖液起泡泡时,迅速将炸好的芋头块倒入,翻炒数十秒后,即可盛盘,撒上芝麻即可食用。
(日本語訳)
- まず里芋を洗って皮をむき、乱切りまたは菱形に切ります。鍋を温め始めます。ゴマは異物が混じっていないかチェックしておきましょう。
- お椀1杯の食用油(新しい油)を6割程度に温め、切った里芋を入れ、ゆっくりと黄金色になるまで揚げ、油をきります。
- 鍋に油を残し、白砂糖200gを加え、弱火で砂糖を油に溶かしていきます。
- ショウガを刻んで、溶かした砂糖に加えます。
- 砂糖が少し油に溶けてきたら、水を加えます。
- 鍋の中で泡が立ち始めたら、すぐに揚げた里芋を加え、数10秒ほど飴を絡めながらひっくり返します。お皿に盛り付け、ゴマをふれば出来上がりです。
実際に作ってみた
要は「素揚げの芋に飴をからめる」というシンプルな料理です。
里芋を素揚げする
①里芋(八つ頭ですが、以下里芋と表記します)の皮をむきます。
②4~5cm位の乱切り(切成滚刀块)にします。私は白っぽく揚げたかったので、火の通りやすい大きさにしました。
油の温度は油の表面から10㎝離れた所で手をかざすと「熱い」を感じる位。鍋の縁から少し煙が出る位…らしいです。私は弱めの中火で揚げました。
把手放在锅面十厘米处能感觉到微微烫手 且油的边缘微微起烟
出典 中华美食栏目官方频道 拔丝芋头
百度百科の将油烧至6成热ってどれ位の熱さかわからんわい…って思ったから、youtubeを参考にしました
じっくりと揚げていきます。
火が通ったかの目安は「浮き上がる」「油の表面に泡がなくなる」「表面がクリスピーな感じ」とyoutubeでは言っていますが、心配な私は竹串でさして確認しました。
拔丝(飴がけ)をつくる
ここからが肝心なところ。youtubeでは「油で飴がけをするのは難しいから、水を使います」と水を使ったバース―を紹介していましたが…
私は「Aさんのように油でバース―するんだ」と最初から決めていました。
なぜなら中国人Aさんが油でバース―していたのを見ていたからです。衝撃的でした。中国に来て「中華料理は油の使い方が独特」であることには気づいていたけれど、まさか飴がけにまで油を使っていたとは…。
ここからは、油でバース―する百度百科のレシピを参考に作っていきます。番号は、参考にした作り方②の手順と同じです。
③揚げ油を鍋に残します。私は飴少なめにしたかったので、フライパンに油を1~2㎝残して砂糖100g投入。(百度百科のレシピでは砂糖200gなので油は写真より多めに残した方が良いかもしれません)
火加減は弱火。なかなか溶けません。箸でかき混ぜると写真のように砂糖のざらつきが見える状態がしばらく続きます。
④こげつかないように混ぜながら、ショウガを加えます(チューブのおろしショウガ1㎝程度 お好みですが、入れた方が美味しいと私は思います)。油がはねるので気をつけましょう。
ふつふつと煮たってきました。「砂糖が油に溶ける」とはこのことでしょうか?
⑤火を消し水大さじ2(30㏄)を投入。再び弱火にかけ、お箸でまぜます。
油はねが怖いから、家で一番大きなフタを盾にして水を入れたよ
急に砂糖が固まり始めました!なんだか嫌な予感。
⑥里芋を投入。
⑦フライ返しで芋をひっくり返して、全体に飴を絡めます。均等に飴がけできなかったけれど、なんとか完成。盛り付けの時にゴマをふりかけます。
拔丝芋头をつくってみて
バース―の魅力であるカリカリに糸を引いた飴は作れませんでした…が
揚げた里芋は薄くカリっとした飴をまとい、ショウガの香りとゴマの香ばしさは後を引く美味しさ!飴を控えめにしたのは◎でした。
成功したのかは微妙ですが、美味しくできました♡
反省点は、飴に水を入れるタイミングです。コツをご存じの方がいれば、教えて欲しいです(^^)
日本で拔丝芋头が食べられるお店があれば、その情報も募集しています!
らーじゃおにとって拔丝芋头は特別なスイーツ。
それはAさんの「好客」なおもてなしの心が忘れられないからでもあるんです。
中国で怖い思いをしたこともあったけど、「それ以上に優しくしてもらったことの方が多かったな」と思うのでありました。
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