『長安二十四時』《原題:长安十二时辰》の作者である馬伯庸(マー・ボーヨン)さん。
『風起洛陽』《原題:洛阳》『天地に問う』《原題:显微镜下的大明》『風起隴西』などドラマ化された作品はすべて話題になり大ヒットしています。
そんな馬伯庸さんの初期の小説が《她死在QQ上》
この小説は2020年に映画化され、《网络凶铃》というタイトルで中国で公開されました。
日本では2022年に公開され、現在(2024年1月)動画配信されています。早速、感想や視聴方法をレポートします。Jホラーでおなじみの S子似の人物が登場する理由も紹介しますね。
『戦慄のリンク』◇作品情報と評価
この作品の監督は「Jホラーの父」「Jホラーの先駆者と呼ばれる」鶴田法男さん。怖い映画・ドラマ・小説すべて苦手な らーじゃおでも、鶴田監督の作品『ほんとにあった怖い話』『学校の怪談』は知っていました。
鶴田監督の『リング0バースデイ』は中国では《午夜凶铃3》というタイトルで人気があるんだよ!
作品情報
タイトル:戦慄のリンク《原題:网络凶铃》
原作:《她死在QQ上》馬伯庸 著
公開:2020年10月(中国) 2022年12月(日本)
監督:鶴田法男
主演:孫伊涵(スン・イーハン) 傅孟柏(フー・モンボー)
傅孟柏(フー・モンボー)さんは『成化十四年』で隋州を演じている俳優さんです。公式インスタグラムを拝見すると、写真のセンスが素敵!
戦慄のリンク◇評価
豆瓣排行榜:1569人が評価 3.5(10点満点中)
Amazon Prime:★★★☆☆(7人が評価)
U-NEXT:★2.5(☆5つで満点)
コロナの影響で公開が遅れたこともあり、評価している人数が少ないという印象があります。日本では公開されて間もないので、これから大きく評価が変わると考えられます。
豆瓣排行榜に関して言えば、ホラー映画に関する感覚は国によって違うかもしれないので、参考までにホラー映画(恐怖片)内での1~3位の映画を紹介します。(10点満点での評価です)
- 1位 サイコ《原題:PSYCHO》中国語題:惊魂记 306,863人が評価 9.0 言わずとしれたヒッチコック監督の名作
- 2位 ソウ《原題:SAW》中国語題:电锯惊魂 550,562人が評価 8.7
- 3位 カリガリ博士《原題:DAS CABINET DES DR.CALIGARI》中国語題:卡里加里博士的小屋 28,954人が評価 8.9
3位の『カリガリ博士』以外は、怖がりのらーじゃおでも知っている有名な映画ですね。ということは、「怖い」という感覚は共通しているのかな?
怖いから見ないと思うけど『カリガリ博士』って気になる!
戦慄のリンク◇あらすじ
削除されたはずのネット小説が、ある日更新されていた。
その日から小説を書いていたメンバーに異変が起こり始める。
これ以上書くとネタバレしちゃうので、やめておきます。
視聴方法
『戦慄のリンク』はDVDを購入するほか、以下の動画配信サービスから視聴できます。
現在(2024.1月)、レンタル形式で配信されています。
配信会社 | レンタル(¥) | 音声 | 字幕 | 備考 |
U-NEXT | 定額見放題 | 中 | 日 | |
Amazon Prime | 400~500 | 中 | 日 | |
Netflix | ー | 中 | 日 | |
Hulu | 定額見放題 | 中 | 日 | |
FOD | 定額プレミアム | 中 | 日 | |
Lemino | 定額プレミアム | 中 | 日 | 旧dTV |
RakutenTV | 440 | 中 | 日 |
戦慄のリンク◇感想
らーじゃおは怖がりなので、普段ホラー映画は見ません。「中国の映画なら大丈夫かな?馬伯庸さん原作だし!」と軽く考え『戦慄のリンク』を見ました。
怖いやん…普通に怖いやん。
中国的なツッコミどころ(矛盾してるトコetc.)があれば、笑いに昇華して怖さに耐えられるのですが、日本人監督だったため普通に怖い映画でした。カレーでいうと中辛くらい(※ 見れるけど思い出して怖くなる映画:辛口 途中でやめるほど怖い映画:大辛)。
中辛判定の理由はこちら
映像から押し寄せる恐怖感と、最終的な答えが私的には嚙み合わず「中辛」判定にしました。貞子(によく似た人物)の怖さと、ネットを通しての催眠やマインドコントロールの恐ろしさが私の中では上手く融合しなかったからです。本当に怖いのは、知らずにネット上で操られてしまったことなのでは? だけど、私は貞子の方が怖かった…前半のインパクトが強すぎました。
原作には幽霊・迷信のようなものが存在したと思われるので(政府が幽霊・迷信を認めないので撮影が大変だった、という記事がありました)、中国側にとって分かりやすい貞子は必要だったようです。詳しくは鶴田監督のインタビュー記事をお読みくださいね。映画は「ブルーウェールチャレンジというSNSを通じて自ら命を絶つ行為を誘発する事件」の要素を盛り込む形で原作を改編したと言われています。前半、あんなに不気味だったのに人の仕業なの?…展開についていけませんでした(;^_^A
怖いの苦手と言っているくせに、生意気な感想すみません。政府の規制がなかったら、どんな風になっていたのかな?と思います。
この作品は政府が幽霊・迷信を認めないので原作を改編して映画化しているそうです。貞子似の人物が登場することになったのは、実はこの中国側の規制に配慮したためです。鶴田監督はもともと貞子とは違うビジュアルの霊を考えていましたが、中国側がイメージしやすい貞子的なものすることで、ようやく審査が通ったのだそうです。
原作には幽霊が出てくるのかしら。一体、どんな感じだったのでしょう。
映画と原作、どう違うのかが気になります。原作を読んでみたい!
そして、「幽霊ダメ」って『聊斎志異』関連の作品どうなっちゃうんだよ! と思いました。
以上、感想でした。
『戦慄のリンク』はホラー映画が苦手な人でも楽しめる中国映画です。古装劇や恋愛ものに飽きたら、中国恐怖片《网络凶铃》:『戦慄のリンク』を見てみませんか?
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